頭のかたすみ

どっかのだれかのどうでもいいこと。

止まってはくれない日




  綺麗さっぱり忘れてしまうことが一番苦手で、楽しいことだって悲しいことだってかなり尾を引く。気持ちは脳のシステムの一環なんだって聞いた。だとしたらわたしのシステムはエラーを出しまくりだと思った。楽しい出来事だってその日を迎えてしまえば終わってしまうことに悲しみ、悲しいことはそれこそ人生の終わりかのように落ち込む。この頃やっと怒る日だってあるようになってきたけど、そもそもはそんな感情わたしの中にはほぼ無かったから、気弱なんだから仕方ないと思った。そういう子どもだった。
  今だって心のどこかで子どものわたしが三角座りをしてじっとしていて、わたしあれ嫌いだった、のは、まあいいんだけど、そういう寂しい気持ちにさせる。小さかった頃、大好きな夏が終わってしまうのが毎年不思議だった。今思えばあれが悲しさだったんだと思う。次の夏はもう今年とは違う夏だと知り、ずっと夏が続けばいいのにと願った。
  願いは叶うはずもなく、時を繰り返している。四季が巡る国に住んでるからだろうか、少しずつ変わってはいるのに、何も変わっていないと感じることがある。頭の一部分はきっとまだ小学2年生、小学5年生、中学3年生、そんな感じ。時間が止まってくれなかった夏を思い出すと、わたしの時間が進んでることも思い出す。不思議なんだよ。今このときだって、進んでしまえば戻れないことが。